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FEATURES MUSIC PLAYGROUND PLAYLIST

50 SONGS OF 2020

1.Standing On The Corner – Angel

Angel / Standing On The Corner

フリージャズ、ヒップホップ、ソウル…あらゆる音楽を取り入れながらそのどれとも言い切れない音楽を鳴らすニューヨークのアートコレクティブSOTC。待望のニューリリースはかつてないほどキャッチーでありながらも彼ららしいコラージュ感覚とユーモラスな実験に溢れた最高の一曲。古びたマシンから流れ出したビートは宇宙を泳ぐように揺れながら時には破裂し木霊したりしてメランコリックなサックスと戯れていく、楽曲の雰囲気を見事に視覚化したメルヴィン・ヴァン・ピーブルズ出演の PVも合わせて。

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2.Tvii Son – Out of Vogue

ウクライナはキエフ発、エクスペリメンタル〜エレクトロバンドによるデビュー作から。ダークで硬質なビートと絶妙に力の抜けたLucyのヴォーカルが醸し出すなんとも言えないクールネス。ブリストルとベルリン、その両方のサウンドを独自に昇華したインダストリアル・ダブ。

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3.Parris – Soft Rocks With Socks

bpm100ぐらいで絶妙につんのめるマシンビートを軸にアブストラクトなシンセや打楽器、ユニークなベースがふらふらと現れては消えるダビーハウス。デカイ音でも延々と聴けるオーガニックで繊細な音作りが気持ちいい。今年のParrisはHarajuku GirlsとYureiも素晴らしかった。

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4.Slauson Malone – Smile #6(see page 198 and 158)

ツアー先で手に入れたアコースティックギターを全編にフィーチャーしたEP「Vergangenheitsbewältigung (Crater Speak)」収録。ギターの爪弾きにボイスサンプルがコラージュされていく前半とチープなビートとラップによる後半。実験的なフォーク作品ともヒップホップの異形とも聴こえるメランコリックなサウンドは唯一無二。

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5.Phew – The Very Ears of Morning

エレクトロニクスと声、ヴィンテージなリズムマシンによって構成された傑作「Vertigo KO」のファーストトラック。夜明けの瞬間を永遠に引き伸ばしたような圧倒的に美しいシンセアンビエント、眠気が飛びます。

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6.King Krule - Underclass

リリースは2月。その後の世界を予見するような内向性と乾きの中にある少しのメランコリー。終盤のムーディーなサックスの旋律に彼の新たな表情を感じる。

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7.Wool & The Pants / Bottom of Tokyo #3

Bottom Of Tokyo #3 by Wool & The Pants - TuneCore Japan

『Wool In The Pool』に収録のNo Wave的ファンクが大胆にリアレンジされた2020年新録曲。Sly Stone、後期CANを連想させるチルアウトなトラックの上で歌われるのは新しい意味を持った「明日街へ出よう」。緊急事態宣言期間中にリリース、印象的なアートワークは東京暮色とフランシス・ベーコンのアトリエのコラージュ。

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8.Aksak Maboul – C’est Charles

ベルギーのアヴァンポップ・レジェンドによる40年ぶりの新作「Figures」。本曲は往年の名作感をまったく感じさせない現代的なサウンドとビートを持った2020年のアートロック。

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9.Model Home – Faultfinder

Throbbing Grisle meets MF Doomとは言い得て妙。今年一番ドープなビートと変調された癖になるライム、アートワークと共鳴するような粒子の荒いサウンドは中毒性かなり高めです。Warp傘下Diciplesからのリリース。

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10.Pavel Milyakov – Odessian Dub

Pavel Milyakov - Odessian dub

モスクワのテクノ・アーティストButtechnoことPavel Milyakovによる幻想的なアブストラクトダブ。不明瞭な旋律の電子音と重たいビートのコントラスト、真夜中の霧深い街を彷徨い歩くような美しいサウンドスケープ。ウクライナ・オデッサの街に捧げられているらしい。ふらふら歩くには丁度いいサウンドトラック。

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11.Frank Ocean – Dear April

結局”Dear April””Cayendo”の2曲のみだった2020年のフランク・オーシャン。Acoustic ver.というだけあってシンプルな伴奏のみの楽曲だがフィンガリングノイズにまで徹底されたアンビエンスと圧倒的な歌声、これだけで何にも変え難い凄みがある。

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12.JPEGMAFIA – living single

90年代アンビエントテクノ的なシンセ、音数の少ないビート、最高のタイトル。あっという間に終わってしまうが、寝るにはまだ早いなと思わせてくれる。

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13.Puma & The Dolphine – Supermarket

Amazon Music - Puma & The DolphinのSupermarket - Amazon.co.jp

ブルガリアの気鋭プロデューサーによる快楽的アフロ・エレクトロニクス。ポコポコしたリズムマシーンとエキゾなウワモノの絡みはまるでカメルーンの伝説Francis Bebay。アルバムタイトルは「Indoor Routine」。

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14.Pearson Sound,Clara! – Mi Cuerpo

PEARSON SOUNDと、スペインのPRR!PRR!コレクティヴのCLARA!による最高のベースチューン。徐々に盛り上がるスペイン語のチャントがやばい脳内フロアキラー。部屋で踊りましょう。

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15.Playboi Carti – M3tamorphosis

2020年の終わり、待望のリリースとなったCartiのニューアルバムから。90年代メンフィスラップのカセットテープを想起させるざらついた音像が衝撃的。

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16.Burial,Four Tet,Thom Yorke – Her Revolution

幻想的なピアノループと淡々と脈打つビート、トム・ヨークの歌声がこんなにも伸びやかに感じられるのはいつぶりか。2020年の終わりに届けられた9年ぶりのコラボレーションにして名曲。

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17.Liv.e – SirLadyMakemFall

「 F.R.A.N.K」(2017)の頃にあったローファイソウルの面影を残しつつ理想的な進化を続けるダラス出身のシンガー Liv.e(読みはリヴ)。オルガルのループとSlyishなビートが身体をゆらすいなせなレディソウル。

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18.Haim – Los Angels

冒頭のサックスとドラムだけでもう最高。ラップ〜R&B以降のサウンドを当たり前に取り入れながらルーツである70年代西海岸の香りまで漂わせるしなやかなグルーヴと開放感、ヴィンテージなだけじゃない楽器の鳴りも素敵!

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19. Anthony Moore – Stitch in Time

40年の時をこえようやくオフィシャルリリースされた75年のお蔵入りアルバム「OUT」の冒頭曲。イントロの拍からして変だが一聴するとキャッチーなモダンポップにしか聴こえないのがすごい。

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20.Holy Tongue – Misinai

たしかにこれはLiquid Liquid、23skidooあたりが好きな人間は避けては通れない音。トライバルなパーカションとポストパンクの実験精神が邂逅したオルタナティヴダブ。

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21.Eddie Chacon – Trouble

チープな打ち込みとシンセによる自主AOR的なサウンドをアンビエント〜ニューエイジ再評価以降のセンスにまとめあげたのはきっとJohn Carroll kirbyの手腕だろう。「お前は悩みの種を増やすだけ」と繰り返し歌われる頭抱え気味なメロウソウル。

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22. Adrianne Lenker – zombie girl

都市から離れた山小屋でアナログ機材のみを使い録音されたソロ作。アコースティックギターとか細い声、遠くから聞こえる鳥のさえずり。喧騒から離れた場所で孤独と向き合うことによって生まれたシンプルだからこそ心をうつフォーク作品。

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23.Ryu Tsuruoka – Omae

横浜生まれのメロウな手口のシンセ歌手(トークボクサー)、ムードにこだわる音楽家。
PPUからのリリースとなったシングルは危険な甘さのトークボックス・バラード。アーバンとかメロウとかそういう言葉はここまで艶っぽい音楽にだけ使われるべき。

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24.坂本慎太郎 – ツバメの季節に

2020年後半にリリースされたシングル4曲はどれも素晴らしかったが「何年経って元に戻るの?」の歌い出しからはじまる本曲ほどいまの空気をキャプチャーした曲はなかったように思う。

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25.Moor Mother –  Forever Industries  A

とにかくたくさんのリリースがあった2020年のMoor Mother。サブポップからリリースの本曲はスウェーデンのビートメイカーOlof Melanderとの共作。

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26.Dirty Projectors – Overlord

ギター、ベース、ドラムのシンプルな楽曲に彩りを与えているのは各楽器の鳴りを完璧に捉えたMIXとDPらしい鮮やかなコーラスワーク。懐古的にならざる得ないバンドサウンドが多い中、本曲の独創性は際立って聴こえる。

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27.Holy Hive – Hypnosis

HOLY HIVE - Hypnosis

2020年も素晴らしいリリースを続けたBig Crownから。抑制が効きながらドラムスティックのワンストロークまでもが目の前に浮き上がってくるような、風通しのよいSweet Soul。

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28.Flanafi – Inner Urge

アメリカのAvant PopデュオPulgasのギタリスト、Simon Maltinesによるソロプロジェクト。ディアンジェロ、スライへの偏愛をプログレッシヴな感性でコーティング、この変態性は聴けば聴くほどくせになる。

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29.NENE – 慈愛

妖怪(!)を題材にした傑作ソロ「夢太郎」からのPV曲、歌い出しはいきなり「おばけが見える」。内面の揺らぎを描写した歌詞とスペイシーなシンセによるスピリチュアルなトラックが新鮮なまさに新境地の一曲。

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30.Military Genius – L.M.G.D.

Military Genius / Deep Web

カナダのポストパンクClack Cloudのメンバーによるソロ。ダークなアンビエントにまみれたアルバムの中では異色のダウンテンポなコールドファンク。

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31.Jabu,Sunun – Lately Dub

lazer_fennec's collection

ブリストルサウンドを更新し続けるクルーYoung echoのメンバーによる平熱のUKソウル。7inchB面に収録のSununによるとろとろのダヴバージョンが真夏の室内に最適でした。

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32.DJ CHARI & DJ TATSUKI – JET MODE feat. Tyson, SANTAWORLDVIEW, MonyHorse & ZOT on the WAVE

とにかくキャッチーなフロウとビート!一度聞いたらもう「おれらとめられね」って歌ってるしいつの間にか無限リピートして聴いている。

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33.テニスコーツ – さべつとキャベツ

Changing / Tenniscoats - Minna Kikeru

黄倉未来によるヒプノティックなビートにまず驚かされるが重要なのは何よりそのリリック。「あいつ」への直球の怒りといつのまに自分を侵食していく病気、たくさんのユーモアを交え歌われる気高く美しいテニス流プロテストソング2020。

Minnakikeru

34.NAYANA IZ – WALKING

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35.keiyaA – Way Eye

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36.Tohji – Oreo

Tohji – Oreo Lyrics | Genius Lyrics

いま踊れる曲を作ることに対する違和感をSNSで表明していたように新曲は90sテクノを彷彿とさせるアンビエントトラック。Oreoとチェリオがマントラの様にならぶリリックも面白い。

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37.Jon Bap – Help

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38.Hiiragi Fukuda – Vivian Girl

アルバム『Raw-Fi』冒頭曲。無機質なビートとラフなギターの生々しさがいい塩梅で同居したトラックにぼそぼそと呟かれる歌。淫力魔人よ助けて…デカダンな雰囲気とベッドルーム的内向性をあわせもった不思議な魅力。

bandcamp

39.Lizette & Quevin – Talk To Me

Talk To Me - Lizette & Quevin

BrainstoryのKevin Martinと陶芸家のLizetteによる、60-70年代に活動したチカーノ・ソウル・バンド、Sunny & Sunliners のカバー。このカサカサした温かい音像とメロディーは誰もがやられてしまうのではないでしょうか。

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40.Navy Blue – Ode2MyLove

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41.Lil DMT ,  Lil N1P – COMO SOY

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42.BLACK NOI$E – The Band (feat.Live.e)

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43.Cindy Lee – Heavy Metal

Cindy Lee - Heavy Metal

埃がかったギターのイントロから、壊れかけのオルゴールのようなガールズポップスサウンド。墓場の運動会に流れていそうな音楽。

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44.石原洋 – formula

石原洋/formula

bandcamp

45.Childish Gambino – 42.26

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46.redveil – Campbell

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47.John Cale –  Lazy Day

ガタガタ揺れたリズムと不安を煽るような調子外れな鍵盤がなぜか心地よく、隙間から覗くように現れる対比的なパートと合わせてこの状況下にしっくりきた最高のチルアウト・ソング。ピンクの髪もキュート。

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48.Vula Viel – My Own Skin

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49.山本精一 – フレア

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50.TOXOBAM – shabby function

狂気のコラージュに忙しないカットアップ、オモチャ箱じゃなくて新宿の裏路地の汚ねえゴミ箱をひっくり返したようなシティ・ミュージック for フリークス。夜に聴くと眠れなくなる。

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Forge Your Own Tapes Vol.3
FYOC Recent Favorites 2020.09

FYOC最近のお気に入り。ニューリリース&少し旧譜もあり、夏の終わりにどうぞ。Spotifyプレイリストのリンクはページ 最下部 にあります。

1. Slauson Malone – Smile #6(see page 198 and 158)

Standing On The Corner創設メンバーの1人、Slauson Malone こと Jasper Marsalis。「A Quiet Farewell 2016 – 2018」以来となるNew EP「Vergangenheitsbewältigung (Crater Speak)」からの1曲。アルバム全編を通してアブストラクトなフォーキー・コラージュ・アルバム。「Some Rap Songs」の流れを感じる前作からはまたスタイルを変えジャンルの枠を超えるエクレクティックな傑作です。
STOCの「Angel」「Get Out」と聞き比べると2人が袂を分かった訳が分かるようで何だか切ない。

2. redveil – campbell

冒頭のギターサンプルのふくよかな音たるや….
redveilはメリーランド州出身の若干16歳のビートメーカー&ラッパー。この曲はニューアルバム「niagara」の1曲目、やっぱりearlを想起させます(特にsome rap songsのRiot!)。どんだけearlばっかいってんだと思われると思いますがそのくらい重要な作品だっだと思うんです、あのアルバム以降以前で作品の語られ方が変わるような。そういえばearlが「Doris」をだしたのも16の時だった、これからが楽しみな人です。

3. Lizette & Quevin – Talk To Me

分かる人には分かる。このスカスカなバンド・サウンドと絶妙に物足りないヴォーカルによるトワイライトな世界。素晴らしいヴィンテージソウルを量産し続けるレーベルBig Crownからのニューソング。いつでも時代錯誤な音楽を奏で続ける人がいるのは頼もしくもあると感じる今日この頃、何の変哲もない良い曲。

4. Anna McClellan – Pace of the Universe

オマハ出身、ニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライターによる3枚目となるフルアルバム「I SAW FIRST LIGHT」からの1曲。インディロックやらローファイなんて言葉はもう死後。でもここで鳴らされている音や歌はいま他の何とも似ていなくて久しぶりにハッとしました。どういう声に持ち主がどんな風に歌うのかというのは本当に大事、そういう意味ではダニエル・ジョンストンなんか思い出したりもします。

5. drea the vibe dealer – Sunshine in the Shadow

シカゴを拠点に活動するソングライターdrea the vibe dealerによる2019年楽曲。90年代R&B~トリップホップ的なエッセンスを感じるトラックに絶妙にいなたいヴォーカル。バンドサウンドの比重が多いトラックも古臭くなくSZA以降を感じられる新鮮なサウンド。2020年リリースのEP「Triple Goddess」も良い。

6. VRITRA – NEURINS

Matt Martians(The Internet)とのユニットThe Jet Age Of Tomorrowでの活動でも知られるオッドフューチャーの才人Vritra。もたついて汚されたビートに耳持ってかれてるとあっという間に終わる、ドープなトラック。

7. Puma Blue – Velvet Leaves

サウスロンドンはまだ燃えているのか。Live音源を除けば実に2年ぶりとなる待望の新曲。装飾の少ないインディR&Bといった趣きは相変わらず、イギリスらしい平熱感とヴォーカルが気持ち良し。

8. ミツメ – トニック・ラブ 

新機軸は夏の夜にハマるミツメ流エキゾギターポップ。ギターロックを下敷きにアンビエント〜バレアリックな雰囲気を漂わせつつあくまでポップなのが最高。歌詞の世界観はもはやヴェイパーウェイヴ。

9. Meitei – Oiran Ⅱ 

広島のサウンドアーティスト冥丁によるニューソング。ピッチフォークでは”The Best Experimental Albums”にも選ばれたアンビエントの傑作だった前作からモードチェンジ。そのまま舐達麻がラップしそうな哀愁と叙情を感じるトラックに。これもまた”Lost Japanese Mood”のひとつのスタイルということ。

10. Michele Mercure – Beginning

アメリカの女性アニメーター、電子音楽家Michele Mercure。1983年〜1990年にリリースのカセット作品4作品からRVNGがコンパイルしたアルバムから。マシンビートとアナログシンセを中心に据え、チープ・エレクトロな楽曲からアンビエント、ブレードランナーさながらのサイファイ・シンセウェイヴにインダストアルまでかなり刺激的。2020年にはRVNGから新たなコンピも出てます。

11. Tvii Son – Simple Ends

LAPSが主宰するレーベルMICからリリース。キエフ発のインダストリアル・ダブ~レフトフィールドなテクノを鳴らす3人組によるデビュー作。ノイジーでインダストリーなビート+控えめなヴォーカルというアンバランスな魅力がやばい、ミュータント・エレクトロ・ダブ。

11. Kelly Lee Owens – Arpegi

ウェールズのソングライター/プロデューサー、2作目となるフルアルバムはレディオヘッドの理想的なカバーから始まる。同郷のジョン・ケイルが参加した「Corner of My Sky」ではディープなエレクトロニックバラードを聴かせ、氷の溶ける音をサンプリングしたフロアライクな「Melt!」は気候変動へのアンチテーゼか。

12. Moor Mother – Forever Industries A

とにかくあらゆる名義を使って出しつづけるムーア・マザー。サブポップからリリースの最新EPはスウェーデン出身のビートメイカー、Olof Melanderとの共作とMental Jewelryとの共作2曲。フューチャリスティック・エクスペリメンタル・ヒップホップ。

13. Phew – All That Vertigo

今年のベストに入るだろう傑作「Vertigo KO」収録曲。シンプルなエレクトロニクスと声を中心に作られた楽曲群は不穏と平穏を行き来して唐突に幕を閉じる。アルバムのメッセージは「なんてひどい世界、でも生き残ろう」。エレクトロニクスと声といえば同じくDisciplesのModel Homeにも通じるものがある、このレーベルは要チェック。

14. Tohji – Oreo

数年前だったら無しだったらサウンドが今はカッコいいのはよくあることでこの曲のトランシーなシンセもまさにそう。聴き方によっては初期Warp〜Aphexあたりのアンビエントなエッセンスも感じる夏の終わり系のチルトラック。「浜辺でやるOreo のむチェリオ」フロウのセンスは相変わらず天才的。

15. Anthony Moore – Stitch Time

Avant Popバンド”Slapp Happy”の創設者、アンソニー・ムーア。この曲は75年にリリース予定だったがお蔵入りになったロストアルバム「Out」からの一曲。ロック、プログレ、前衛、ポップ。そのどれでもあってどれでもない、なにかの外側にポツンと存在する音。「Out」は40年の時をこえて11月にDrag Cityからリリースされる。

16. Pixies – Wave of Mutilation (UK Surf) 

「はちどり」も「ブックスマート」も良かったけどこの夏印象に残った1本は「mid90s」。Pharcydeのラストは勿論、90年代のHIPHOPクラシックがガンガンかかる音楽も最高。その中でもホームパーティーのシーンでかかったピクシーズのあえてこの曲。2020年的にはこっちのバージョンだよなって思いもあり。

17. Jonathan Richman – That Summer Feeling

祝「I,Jonathan」アナログリリース。どんなフォーマットで聴こうが勝手だろ、これ以上夏の終わりにぴったりな曲を知らない。ザットサマーフィーリン。

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Forge Your Own Tapes – Vol.2 Circus Melodie

過去に石原洋さんがライブでカバーしたことのある曲をまとめたプレイリストを作りました。
Spotifyには見当たらなかった曲があり、それらをこのページで紹介します。尚、プレイリスト含めこれらがその全てではありません。

こうして数曲並べただけでも、そこにどこか共通するメロディーやムードがあるような。

知らない曲を発見して、知ってる曲の魅力を再発見する。
そうやって音楽が広がっていくのは楽しいと改めて思います。

Precious / Metro

オリジナルアルバムではDavid Bowieがカバーした「Criminal World」に続く二曲目。可憐なムード溢れる曲。

Totalled / Eno

1974年の音源で、翌年発表のアルバム『Another Green World』に「I’ll Come Running」として収録されている曲。

Judy Get Down / Anthony Moore

個人的に日本でモダンポップと呼ばれるような音楽の良さを知るきっかけになった思い入れのある曲。

An Appointment With The Master / Bachdenkel

プログレ枠のバンドだが、プログレという概念(?)と70年代UKポップグループに共通するものを見出せた思い入れのある曲。

Double Exposure / Television

The Stars時代に演奏。亀川千代さんのベースはこういうスタイルの音楽だと尚のことプレイの格好良さが際立つなと思った記憶がある曲。

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Forge Your Own Tapes – Vol.1 Stay Home Ambient

家にいるしかない日々が続くと分かった時は「たくさん音楽を聴こう」とか考えていたもののいざ始まってみると音楽なんて何も聴く気が起きなかった。改めて思い知ったけれど、聴く音楽は精神に作用するし精神は聴こうとする音楽を当たり前に選ぶ。そんな時にアンビエントは最適だった。最近の少し過剰なアンビエント・ブームにはちょっと距離を置いているつもりだったがここに収録されているようなクラシックな意匠を纏う曲達の魅力には抗えないものがある。

職場の臨時休業が決まり、明日からどうしようと漠然な不安とともに新宿から伽藍とした歌舞伎町を抜け中野まで歩いた。
その夜の長い散歩道で聴いた50曲。そのせいか自然と重くないフィーリングでポップなのものが多くなったと思う。非アンビエント的なものも多く、あくまで個人的なでフィーリングで選んだ。

アンビエント・ミュージックの入門編として、ステイホームのお供に、夜の住宅街の散歩道のサウンドトラックにもきっと最高です。


Brian Eno,Jon Hassellなどのパイオニア達はもちろん、Cluster, Conrad Schnitzlerなどのクラウト・ロック勢、そしてその影響をうけたWim Mertens,Durutti Columnなどクレプスキュール界隈の人たち。

Ho Renomo / Cluster & Eno

ギター音響的なところではさすらいのカウボーイ Bruce Langhorne, ブリティッシュ・フォークレジェンドの Mike Cooper のエキゾ・アンビエント、説明不要のParis,texasにあまりに美しいLoren Connorsの”Lullaby(the 1st)”。

PaumalMike Cooper
Lullaby (the 1st) / Loren Connors

近年この界隈の盛り上がりもあり素晴らしいリイシューがとにかくたくさんリリースされた、カナダのシンガー・ソングライターBeverly Glenn-Copelandの86年カセット・テープ音源は個人的に2019年良く聞いた1枚、アップル・コンピュータのソフトウェア開発にも携わった女流音楽家Laurie Spiegelの古典的名作「The Expanding Universe」、国内のアンビエント作品も再発が一気に進み吉村弘や広瀬豊などは多くの人が知るところに。

Old Melody / Beverly Glenn-Copeland

非アンビエントものではMiles Davis”In a Silent Way”のNew Mix,Alice Coltraneに師事したハープ奏者Jeff MajorsはLalaajiなどにも通じるMeditatedな世界観、昨年シカゴの再発レ―ベルNumeroからリリースのコンピ「You’re Not From Around Here」に収録されたギター・デュオHouston & DorseyはSanto & Johnny”Sleepwalk”にならぶフローティング・ギターものとしても最高。

Baby Dauhter (ICE 015) / Jeff Majors
Ebb Tide (HT #1) / Houston & Dorsey

90年代テクノからはAphex Twin,Boards of Canada、相当久しぶりに聞いたヴェクセル・ガーランドによるエレクトロ二カの名作「Wunder」。この4月に”Dear April””Cayendo”がリリースされたFrank Ocean作品に関わるDaniel AgedとBuddy Rossの2アーティストの楽曲もいまの気分にはぴったり。

Jones / Wunder
Running Around / Buddy Ross