もし“昭和日本映画=アナクロ”というイメージを持っていてもそれは特別間違ってはいないと思う。
過去にわたし自身そんなイメージを持っていた。それらの宣伝ポスターの色味や煽り文句等々からそうしたイメージを抱いていたのだと思う。
しかし、そのようなイメージというのは実際には昭和日本映画のある一面でしかない。
という事を森崎東映画のような作品を通してわたしは知った。
表面的に時代のノスタルジーを帯びていても作品の核であるテーマの響き自体は古びない、というのが映画というメディアの不思議で魅力的なところだ。
森崎東映画は普通の社会で普通になれない人々を描く。その映画は優しく激しいエネルギーで満ちている。
多かれ少なかれ“普通”ということを誰もが考えざるを得ない昨今において、生きる勇気のようなものを与えてくれる映画作品だと思う。
追悼特集 森崎東党宣言!
2020/11/21 ~ 2020/12/11
@シネマヴェーラ渋谷
http://www.cinemavera.com