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Medhane / Cold Water

ニューヨークのラッパーMedhaneがハイペースで作品をリリースしている。
2019年11月の『Own Pace』、今年2月の『FULL CIRCLE』、そして5月の暮れにリリースされたのが本作『Cold Water』。

アトランタのラッパー Future が2014年から2015年にかけてリリースした『Monster』 『Beast Mode』『56 Nights』の3作連続リリースに影響をうけたと本人は語っているが、3作目となる本作『Cold Water』はそのリリースの最後を飾るにふさわしい最も充実した作品となった。

Medhaneはブルックリンを拠点に活動する23歳のラッパーでいま最も注目すべきシーンのひとつ「NYアンダーグラウンド~ Standing on The Corner 界隈」のメンバーとの交流も多い。特に Slauson Malone とはユニット Medslaus 名義でのリリースやお互いの作品のプロデュースや客演などかなりの交友関係がある。

Medhane & Slauson Malone Discuss Their Influences, Why They Won’t Sign to a Major Label

本作にも N.Y アンダーグラウンド内外から多彩なゲストが参加している。今年3月に傑作「Forever,Ya Girl」をリリースしたばかりのシンガー keiyaA、King Klure が Edgar The Beatmeker 名義でプロデュースした「Can’t Slip」(これも傑作だった、)も記憶に新しいロンドンのラッパーJadasea、この辺りを掘ってる人間ならもはや説明不要だろうNavy Blue, Maxoなどなど。

このメンツを細い糸でつないでいるのは結局「Some Rap Songs」なんだと思うのだけれどMedhaneもやはりEarlの作品と共に語られることが非常に多く、最近だと友人であるMIKEあたりと共鳴するシンプルなジャズ、ソウルのサンプルが中心のアブストラクトなトラックが特徴的なサウンド。ただこの作品をそれ以上のものにしているのはで自身のメンタルヘルスやトラウマと向き合い、それらにイラつきながらも迷路のなかで葛藤し出口を探そうとするリリックにある。

ひとまず日々スケボーやサイクリングに勤しむ彼のInstagramをフォローし、Navy が参加した「TRS」のリリックをGENIUSでぜひ読んでみてほしい。