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Forge Your Own Tapes – Vol.1 Stay Home Ambient

家にいるしかない日々が続くと分かった時は「たくさん音楽を聴こう」とか考えていたもののいざ始まってみると音楽なんて何も聴く気が起きなかった。改めて思い知ったけれど、聴く音楽は精神に作用するし精神は聴こうとする音楽を当たり前に選ぶ。そんな時にアンビエントは最適だった。最近の少し過剰なアンビエント・ブームにはちょっと距離を置いているつもりだったがここに収録されているようなクラシックな意匠を纏う曲達の魅力には抗えないものがある。

職場の臨時休業が決まり、明日からどうしようと漠然な不安とともに新宿から伽藍とした歌舞伎町を抜け中野まで歩いた。
その夜の長い散歩道で聴いた50曲。そのせいか自然と重くないフィーリングでポップなのものが多くなったと思う。非アンビエント的なものも多く、あくまで個人的なでフィーリングで選んだ。

アンビエント・ミュージックの入門編として、ステイホームのお供に、夜の住宅街の散歩道のサウンドトラックにもきっと最高です。


Brian Eno,Jon Hassellなどのパイオニア達はもちろん、Cluster, Conrad Schnitzlerなどのクラウト・ロック勢、そしてその影響をうけたWim Mertens,Durutti Columnなどクレプスキュール界隈の人たち。

Ho Renomo / Cluster & Eno

ギター音響的なところではさすらいのカウボーイ Bruce Langhorne, ブリティッシュ・フォークレジェンドの Mike Cooper のエキゾ・アンビエント、説明不要のParis,texasにあまりに美しいLoren Connorsの”Lullaby(the 1st)”。

PaumalMike Cooper
Lullaby (the 1st) / Loren Connors

近年この界隈の盛り上がりもあり素晴らしいリイシューがとにかくたくさんリリースされた、カナダのシンガー・ソングライターBeverly Glenn-Copelandの86年カセット・テープ音源は個人的に2019年良く聞いた1枚、アップル・コンピュータのソフトウェア開発にも携わった女流音楽家Laurie Spiegelの古典的名作「The Expanding Universe」、国内のアンビエント作品も再発が一気に進み吉村弘や広瀬豊などは多くの人が知るところに。

Old Melody / Beverly Glenn-Copeland

非アンビエントものではMiles Davis”In a Silent Way”のNew Mix,Alice Coltraneに師事したハープ奏者Jeff MajorsはLalaajiなどにも通じるMeditatedな世界観、昨年シカゴの再発レ―ベルNumeroからリリースのコンピ「You’re Not From Around Here」に収録されたギター・デュオHouston & DorseyはSanto & Johnny”Sleepwalk”にならぶフローティング・ギターものとしても最高。

Baby Dauhter (ICE 015) / Jeff Majors
Ebb Tide (HT #1) / Houston & Dorsey

90年代テクノからはAphex Twin,Boards of Canada、相当久しぶりに聞いたヴェクセル・ガーランドによるエレクトロ二カの名作「Wunder」。この4月に”Dear April””Cayendo”がリリースされたFrank Ocean作品に関わるDaniel AgedとBuddy Rossの2アーティストの楽曲もいまの気分にはぴったり。

Jones / Wunder
Running Around / Buddy Ross