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Forge Your Own Tapes PLAYLIST

Forge Your Own Tapes Vol.3
FYOC Recent Favorites 2020.09

FYOC最近のお気に入り。ニューリリース&少し旧譜もあり、夏の終わりにどうぞ。Spotifyプレイリストのリンクはページ 最下部 にあります。

1. Slauson Malone – Smile #6(see page 198 and 158)

Standing On The Corner創設メンバーの1人、Slauson Malone こと Jasper Marsalis。「A Quiet Farewell 2016 – 2018」以来となるNew EP「Vergangenheitsbewältigung (Crater Speak)」からの1曲。アルバム全編を通してアブストラクトなフォーキー・コラージュ・アルバム。「Some Rap Songs」の流れを感じる前作からはまたスタイルを変えジャンルの枠を超えるエクレクティックな傑作です。
STOCの「Angel」「Get Out」と聞き比べると2人が袂を分かった訳が分かるようで何だか切ない。

2. redveil – campbell

冒頭のギターサンプルのふくよかな音たるや….
redveilはメリーランド州出身の若干16歳のビートメーカー&ラッパー。この曲はニューアルバム「niagara」の1曲目、やっぱりearlを想起させます(特にsome rap songsのRiot!)。どんだけearlばっかいってんだと思われると思いますがそのくらい重要な作品だっだと思うんです、あのアルバム以降以前で作品の語られ方が変わるような。そういえばearlが「Doris」をだしたのも16の時だった、これからが楽しみな人です。

3. Lizette & Quevin – Talk To Me

分かる人には分かる。このスカスカなバンド・サウンドと絶妙に物足りないヴォーカルによるトワイライトな世界。素晴らしいヴィンテージソウルを量産し続けるレーベルBig Crownからのニューソング。いつでも時代錯誤な音楽を奏で続ける人がいるのは頼もしくもあると感じる今日この頃、何の変哲もない良い曲。

4. Anna McClellan – Pace of the Universe

オマハ出身、ニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライターによる3枚目となるフルアルバム「I SAW FIRST LIGHT」からの1曲。インディロックやらローファイなんて言葉はもう死後。でもここで鳴らされている音や歌はいま他の何とも似ていなくて久しぶりにハッとしました。どういう声に持ち主がどんな風に歌うのかというのは本当に大事、そういう意味ではダニエル・ジョンストンなんか思い出したりもします。

5. drea the vibe dealer – Sunshine in the Shadow

シカゴを拠点に活動するソングライターdrea the vibe dealerによる2019年楽曲。90年代R&B~トリップホップ的なエッセンスを感じるトラックに絶妙にいなたいヴォーカル。バンドサウンドの比重が多いトラックも古臭くなくSZA以降を感じられる新鮮なサウンド。2020年リリースのEP「Triple Goddess」も良い。

6. VRITRA – NEURINS

Matt Martians(The Internet)とのユニットThe Jet Age Of Tomorrowでの活動でも知られるオッドフューチャーの才人Vritra。もたついて汚されたビートに耳持ってかれてるとあっという間に終わる、ドープなトラック。

7. Puma Blue – Velvet Leaves

サウスロンドンはまだ燃えているのか。Live音源を除けば実に2年ぶりとなる待望の新曲。装飾の少ないインディR&Bといった趣きは相変わらず、イギリスらしい平熱感とヴォーカルが気持ち良し。

8. ミツメ – トニック・ラブ 

新機軸は夏の夜にハマるミツメ流エキゾギターポップ。ギターロックを下敷きにアンビエント〜バレアリックな雰囲気を漂わせつつあくまでポップなのが最高。歌詞の世界観はもはやヴェイパーウェイヴ。

9. Meitei – Oiran Ⅱ 

広島のサウンドアーティスト冥丁によるニューソング。ピッチフォークでは”The Best Experimental Albums”にも選ばれたアンビエントの傑作だった前作からモードチェンジ。そのまま舐達麻がラップしそうな哀愁と叙情を感じるトラックに。これもまた”Lost Japanese Mood”のひとつのスタイルということ。

10. Michele Mercure – Beginning

アメリカの女性アニメーター、電子音楽家Michele Mercure。1983年〜1990年にリリースのカセット作品4作品からRVNGがコンパイルしたアルバムから。マシンビートとアナログシンセを中心に据え、チープ・エレクトロな楽曲からアンビエント、ブレードランナーさながらのサイファイ・シンセウェイヴにインダストアルまでかなり刺激的。2020年にはRVNGから新たなコンピも出てます。

11. Tvii Son – Simple Ends

LAPSが主宰するレーベルMICからリリース。キエフ発のインダストリアル・ダブ~レフトフィールドなテクノを鳴らす3人組によるデビュー作。ノイジーでインダストリーなビート+控えめなヴォーカルというアンバランスな魅力がやばい、ミュータント・エレクトロ・ダブ。

11. Kelly Lee Owens – Arpegi

ウェールズのソングライター/プロデューサー、2作目となるフルアルバムはレディオヘッドの理想的なカバーから始まる。同郷のジョン・ケイルが参加した「Corner of My Sky」ではディープなエレクトロニックバラードを聴かせ、氷の溶ける音をサンプリングしたフロアライクな「Melt!」は気候変動へのアンチテーゼか。

12. Moor Mother – Forever Industries A

とにかくあらゆる名義を使って出しつづけるムーア・マザー。サブポップからリリースの最新EPはスウェーデン出身のビートメイカー、Olof Melanderとの共作とMental Jewelryとの共作2曲。フューチャリスティック・エクスペリメンタル・ヒップホップ。

13. Phew – All That Vertigo

今年のベストに入るだろう傑作「Vertigo KO」収録曲。シンプルなエレクトロニクスと声を中心に作られた楽曲群は不穏と平穏を行き来して唐突に幕を閉じる。アルバムのメッセージは「なんてひどい世界、でも生き残ろう」。エレクトロニクスと声といえば同じくDisciplesのModel Homeにも通じるものがある、このレーベルは要チェック。

14. Tohji – Oreo

数年前だったら無しだったらサウンドが今はカッコいいのはよくあることでこの曲のトランシーなシンセもまさにそう。聴き方によっては初期Warp〜Aphexあたりのアンビエントなエッセンスも感じる夏の終わり系のチルトラック。「浜辺でやるOreo のむチェリオ」フロウのセンスは相変わらず天才的。

15. Anthony Moore – Stitch Time

Avant Popバンド”Slapp Happy”の創設者、アンソニー・ムーア。この曲は75年にリリース予定だったがお蔵入りになったロストアルバム「Out」からの一曲。ロック、プログレ、前衛、ポップ。そのどれでもあってどれでもない、なにかの外側にポツンと存在する音。「Out」は40年の時をこえて11月にDrag Cityからリリースされる。

16. Pixies – Wave of Mutilation (UK Surf) 

「はちどり」も「ブックスマート」も良かったけどこの夏印象に残った1本は「mid90s」。Pharcydeのラストは勿論、90年代のHIPHOPクラシックがガンガンかかる音楽も最高。その中でもホームパーティーのシーンでかかったピクシーズのあえてこの曲。2020年的にはこっちのバージョンだよなって思いもあり。

17. Jonathan Richman – That Summer Feeling

祝「I,Jonathan」アナログリリース。どんなフォーマットで聴こうが勝手だろ、これ以上夏の終わりにぴったりな曲を知らない。ザットサマーフィーリン。

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Forge Your Own Tapes – Vol.2 Circus Melodie

過去に石原洋さんがライブでカバーしたことのある曲をまとめたプレイリストを作りました。
Spotifyには見当たらなかった曲があり、それらをこのページで紹介します。尚、プレイリスト含めこれらがその全てではありません。

こうして数曲並べただけでも、そこにどこか共通するメロディーやムードがあるような。

知らない曲を発見して、知ってる曲の魅力を再発見する。
そうやって音楽が広がっていくのは楽しいと改めて思います。

Precious / Metro

オリジナルアルバムではDavid Bowieがカバーした「Criminal World」に続く二曲目。可憐なムード溢れる曲。

Totalled / Eno

1974年の音源で、翌年発表のアルバム『Another Green World』に「I’ll Come Running」として収録されている曲。

Judy Get Down / Anthony Moore

個人的に日本でモダンポップと呼ばれるような音楽の良さを知るきっかけになった思い入れのある曲。

An Appointment With The Master / Bachdenkel

プログレ枠のバンドだが、プログレという概念(?)と70年代UKポップグループに共通するものを見出せた思い入れのある曲。

Double Exposure / Television

The Stars時代に演奏。亀川千代さんのベースはこういうスタイルの音楽だと尚のことプレイの格好良さが際立つなと思った記憶がある曲。

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Forge Your Own Tapes – Vol.1 Stay Home Ambient

家にいるしかない日々が続くと分かった時は「たくさん音楽を聴こう」とか考えていたもののいざ始まってみると音楽なんて何も聴く気が起きなかった。改めて思い知ったけれど、聴く音楽は精神に作用するし精神は聴こうとする音楽を当たり前に選ぶ。そんな時にアンビエントは最適だった。最近の少し過剰なアンビエント・ブームにはちょっと距離を置いているつもりだったがここに収録されているようなクラシックな意匠を纏う曲達の魅力には抗えないものがある。

職場の臨時休業が決まり、明日からどうしようと漠然な不安とともに新宿から伽藍とした歌舞伎町を抜け中野まで歩いた。
その夜の長い散歩道で聴いた50曲。そのせいか自然と重くないフィーリングでポップなのものが多くなったと思う。非アンビエント的なものも多く、あくまで個人的なでフィーリングで選んだ。

アンビエント・ミュージックの入門編として、ステイホームのお供に、夜の住宅街の散歩道のサウンドトラックにもきっと最高です。


Brian Eno,Jon Hassellなどのパイオニア達はもちろん、Cluster, Conrad Schnitzlerなどのクラウト・ロック勢、そしてその影響をうけたWim Mertens,Durutti Columnなどクレプスキュール界隈の人たち。

Ho Renomo / Cluster & Eno

ギター音響的なところではさすらいのカウボーイ Bruce Langhorne, ブリティッシュ・フォークレジェンドの Mike Cooper のエキゾ・アンビエント、説明不要のParis,texasにあまりに美しいLoren Connorsの”Lullaby(the 1st)”。

PaumalMike Cooper
Lullaby (the 1st) / Loren Connors

近年この界隈の盛り上がりもあり素晴らしいリイシューがとにかくたくさんリリースされた、カナダのシンガー・ソングライターBeverly Glenn-Copelandの86年カセット・テープ音源は個人的に2019年良く聞いた1枚、アップル・コンピュータのソフトウェア開発にも携わった女流音楽家Laurie Spiegelの古典的名作「The Expanding Universe」、国内のアンビエント作品も再発が一気に進み吉村弘や広瀬豊などは多くの人が知るところに。

Old Melody / Beverly Glenn-Copeland

非アンビエントものではMiles Davis”In a Silent Way”のNew Mix,Alice Coltraneに師事したハープ奏者Jeff MajorsはLalaajiなどにも通じるMeditatedな世界観、昨年シカゴの再発レ―ベルNumeroからリリースのコンピ「You’re Not From Around Here」に収録されたギター・デュオHouston & DorseyはSanto & Johnny”Sleepwalk”にならぶフローティング・ギターものとしても最高。

Baby Dauhter (ICE 015) / Jeff Majors
Ebb Tide (HT #1) / Houston & Dorsey

90年代テクノからはAphex Twin,Boards of Canada、相当久しぶりに聞いたヴェクセル・ガーランドによるエレクトロ二カの名作「Wunder」。この4月に”Dear April””Cayendo”がリリースされたFrank Ocean作品に関わるDaniel AgedとBuddy Rossの2アーティストの楽曲もいまの気分にはぴったり。

Jones / Wunder
Running Around / Buddy Ross