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舐達麻 ─ 燻らす息吹に巻かれて

きたぜ、また書かせてもらえる時が!と言っても今回は私が今まで色々なアーティスト聴いてきた中で果たしてここまでハマったアーティストはいたか…否!なアーティストについて書かせて頂きます。敬称略させて頂きますのでご理解のほど何卒。

まずはそのアーティストなんですが「舐達麻」です。そりゃもうすごい聴いてます。そんな方今ごまんといると思いますが負けないくらい聴いてます。はい。スマホのユーザー辞書で「な」って打てば出るように設定してます。あと、ミー文字とかいう自分で作れる絵文字?みたいので3人とも作ってあります。はい。

よくわかんないアピールは置いといて、さっそく。まず初めて知ったのはその時働いていたとこにいた大学生からなんですが(この子がすごい詳しいの。本当尊敬してる)なんとなしに「最近おすすめ誰かいる?」って聴いてみたら「これです!」って言ってみせられたのこれでした。

その時の衝撃ったらなかったなぁ。ということで、そこからなんでハマっていったか今から書いてくね!まず3人の声。私の中でラッパーの声って好きかそうじゃないかを判断する大部分を占めています。だからオートチューン、ダメ、ゼッタイ!って思ってました。最近まで。今はそんなことないけど使ってないアーティストの方が惹かれますね。だってラッパーは個性出してこそでしょ?声こそ個性を出す武器の1つなのにあれ使っちゃうと良くも悪くも差が無くなっちゃうのが勿体ないと思ってしまうんですよね…あくまで個人的見解ですが。オートチューンの話はまたどこかの飲み屋で管巻くとして話を舐達麻へ。


まずBADSAIKUSH。ただのハスキー声とも鼻息荒いアノお方のような声とも違う声。あれこそ武器になる声なんだよなぁ。DELTA 9 KIDの声は歯切れの良いちょい高い声で聴いていて耳心地良いし歯切れが良い分リズミカルに聴こえるから惹きつけられます。G PLANTSもちょっと高いんだけど気だるさもあって良い。曲のHOOKを歌うことも多いですが、キャラが立ってるから中毒性のあるHOOKに仕上がってて良いんですよね、これが。それぞれが唯一無二で聴いたらすぐわかる声を持っているし、尚且つそれぞれがそれぞれを邪魔してないから聴いてて違和感もない。その3人が合わさってるんだからそりゃね、もうね、ね?良くないわけないんですよ。おすすめなのが”ENDLESS ROLL”のHOOK。珍しく同じリリックを3人で回して歌うんですが同じだからこそ特徴がしっかり感じとれるので是非。

そして、ビート。このビートもその曲を判断するための重要な要素なんですがこれもまた良いものを提供してくれてるなぁと。
はじめにGREEN ASSASSIN DOLLAR。彼のことは恥ずかしながら”Flotin’ “で知ったのですが、ただただツボでした。普段R&Bも好きでよく聴いていて綺麗な曲に惹かれる習性があるんですがまさにでした。今でこそLo-fiって言葉が出てきてムーヴメントの1つになってきています。彼の曲も恐らくそれにカテゴライズされてしまうんでしょうけど、そことは一線を画す魅力があります。BADSAIKUSHのインタビューでもビート選びが重要で拘っていると仰っていました。好きなアーティストにNUJABESをあげていましたが、GREEN ASSASSIN DOLLARは俺の中で(NUJABESを)超えているとも仰っていて、もの凄い信頼関係だなって。自分が好きなアーティストって孤高の存在だったりすると思うんですが、そう言えるってことはお互いの揺るがない関係性があるからこそだと思うんですよね。こういうのってそうあることじゃないので、縁ってあるんだなぁとしみじみ思いました。またビート・アルバムをコンスタントにリリースなさっていて私もFLYING LOTUSの”YOU’RE DEAD!”以来のビート・アルバムとして聴いてます。声のサンプリングの仕方とか好きで先述通りR&Bに近いというか、聴いてて気分上がります。

そして、なんと言っても2020年7月にリリースされた最新シングル。

この曲もまた今までとは違った雰囲気を持ったビートで、歌もののサンプルが効いていてそれぞれのメンバーが思い馳せているようでどこか切なく、それでいて力強さも持っているので聴いた瞬間から耳もってかれてます。「違法大麻不法所持してる肌身離さず」だって。ここのリズム感好き。リリースされてからひたすら聴いてる毎日。

次に7SEEDS。DJ BUNとKIC.(KICK DA FRESH)の2人での名義ですが、私が知ったのはこの曲でした。

好きな曲の1つなんですが、BADSAIKUSHの有名なパンチラインがあるのもこの曲ですね。でも魅力はそれだけではなく散々話題になっている元ネタもその1つ。未だに何が使われているかわかっておらず逆再生で使っている(?)ことがわかっているくらい。でも、私が思うにわかったところでそのネタのベストな使い方はこの曲で正解を出してると思うんですよ。だからこそこんなに話題になるわけだし。これに限って言えば同ネタ使うのってかなりハードルが高い気がするなぁ。なのでこのビートメイク・センスに脱帽して謎のままでいいんじゃないかなって思います。歌もののサンプリング最高!KIC.も動画サイトに2曲ほど音源がアップされていますが、こちらもビートにギターの生音が合わさった曲で特に”én”が好きです。というかどっちも相当良いです。もちろん、DJ BUN名義、7SEEDS名義でアルバムもリリースなさっていて、これももれなく最高です。

そして音の殺し屋SAC。この方の曲で1番好きなのがこれ。

あのSCARSを支えているだけあって、もう最高です。出だしからやられてます。こんなに夏の終わりのような寂しい雰囲気なのに舐達麻のリリックが乗ると全然違うように感じます。前を見据えて俺らの先は明るいと言うBADSAIKUSH。ただ息をするだけで終わるなんて虚しいと言うDELTA 9 KID。限界なく満開に咲くことを歌うG PLANTS(ヴァースの始まり方が好きすぎて…夏)3人の言葉が強いので寂しいだけではない立ち止まらず前に向かっていく名曲だと思っています。この曲のフィジカルがないので7インチ・レコードでもCDシングルでもどんな形でも良いので待ち望んでる今日この頃の私です。是非お願いしまーーーす!(いきなりのサマーウォーズ風で。)

最後にNAICHOPLAW。APHRODITE GANG所属のビート・メーカーです。

他のビート・メーカーとはちょっと違う危うさと言うか妖しさがあると思います。私が彼の作った曲で好きな曲は”POT HEAD”です。ピアノのループが綺麗でシンプルだけど印象的な曲だなぁと。G PLANTSの有名なパンチラインもこの曲ですね。
というか、この曲パンチラインの応酬というか個人的に耳に残る言葉が多いです。D BUBBLESのヴァースの始まり方だったり、DELTA 9 KIDの「癖になる」からの「アムステルダム」のリズミカルな言い方だったり。1stアルバムには契とかESTETIKAとか人気曲もありますが中でも特に聴いてる曲はこれです。

ということで、長くなりましたが個人的舐達麻の魅力の1つ、ビートでした。SACは別としても彼らのレーベルAPHRODITE GANGにこれだけ格好良いビート・メーカーがいるってことが良いですよね。しかもお互いに刺激し合って高め合っているのが曲からも伺えて、その「より良いものを作ることへの妥協の無さ」が様々な人を魅了することへと繋がっているんでしょう。

そして音楽に対する姿勢。インタビューでも2019年の12月に行なったライブの際にもBADSAIKUSHは芸術をすることへの自身の考えを仰っていました。誰でも何かを作ることをした方がいい、と。自分の精神状態を絵を描くとか詩を書くという何かを作り出すという形で吐き出すことによって人として成長することに繋がっていく。上手くいくことなんて滅多になくてスランプな時がほとんどだけど、それを基本のこととしてそれでも自分が納得するまで続けていく。このことを自身の身をもって体現していく彼らの真っ直ぐな姿勢こそ人を魅了する力なんだと思いました。ちなみにそのライブを観に行かせて頂きましたが、多分終始瞬きなんてしてないと思うな。それぐらい脳裏に焼き付けときました。一部ですが、ちょうどそのMCもありますので、こちらも是非。

リリックの内容や生い立ち、結成のきっかけなどはインタビュー記事を読んで頂ければ。むしろ読んで頂きたい!なんだかんだ言っても本人たちの言葉が1番なのでここでは書かないことにします。

最後に、これは要望というか切望というか願いですが、D BUBBLESの復活を是非とも。もちろん今の3人でも充分に曲の内容的にもビジュアル的にも仕上がってきているのは重々承知の上ですが、1stアルバムを聴いていると、もしD BUBBLESが今再加入して、GADや7SEEDSのビートで4人でマイクリレーしたら…とか考えるとワクワクしません?なぜって?D BUBBLESって言葉の乗せ方も上手ですしパンチラインとかかなりあると思うんですよね。個人的に。思いません?どう?だめ?状況が状況ですし本人たちにしか知り得ないことなので外野がどうのこうの言ったところで簡単にはいかないことだとはわかっています。でも、いつの日か4人でのマイクリレーをライブや音源で聴ける日をただのファンとして楽しみにしています。もし4人になったら…考えるだけでニヤニヤが。

本当に最後は好きなリリックでお別れ。

Ladies & Gentleman お待ちかね
聞き逃すな これが噂のあれ
点と線繋ぐも行方は不明
煙のよう 残る匂いだけ

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POOL

High Top or Low #1

この歳になると「あまり履かないんだよね」とか「大体履くのはブーツか革靴かな」とか「服装に合わなくて履かない」なんて言われる機会もちらほらあったりするんです。そのたびに心の中でこう囁くの。
(現役バリバリで履きまくっててスニーカーしか持っていない私は一体…)と。

はい。前置きはこのくらいにして今回はスニーカーと音楽、というかスニーカーとヒップホップについて自分なりに感じていることを書こう!と思ったので軽い感じで見ていただけると幸いです。

まずは何と言ってもこれです。

My Adidas / RUN-DMC

RUN DMC の adidas ファッションはヒップホップを聴いてない方々でもなんとなくは目にしているはず。この adidas のスーパスター(あのシューレース全部外して履くやり方、真似したはいいけど歩けるのか?って誰しも思ったよね!)をはじめ、80年代の当時は puma のスウェードなんかもストリート界隈では人気だったみたいです。なんだか今とあまり変わってない気が。それほどあのデザインが普遍的で格好良いものなんでしょうね。

そこから日本にもヒップホップがやってきてもちろんスニーカー文化も一緒に流行ることになるんですが有名なのはやはりこれでしょう!

証言 / LAMP EYE

ここの5番でまさに”証言”している通り毎日磨くもんなんですよ。スニーカーは。なぜかって?それはね。ラッパーの方々が有名になって自慢するものと言えばお金、女性、車、アクセサリーなどがありますがその中にファッションがあるのももちろんのこと。綺麗なスニーカーを履いている→いつも新品身につけている俺→金回りがいいんだぜみたいな感覚で。だから皆履いているのは、ひたすらにピカピカ。本当に超人気でいつも新品履けている人達は良いけど、それに憧れてるだけの僕みたいな一般素人の端くれみたいな奴は必死こいて磨いてるんです、家で。それで憧れのアイツに近づこうとしてるんです….. 悲しくなってきたな。頑張ろう。

前向きになれた(?)ところで話を戻すと、スニーカーのことについてラップしてる曲は他にもあって色々紹介したいんですが、長くなってしまうので最近の曲で自分の中でおっ!ってなったのがこれ。

They Call Me Super Star / KOHH

この中で「スーパースターに憧れてコンバースをボロボロにしていた」ってあります。ここで言うスーパースターって文字通りの意味もあるけどやっぱり先述した RUN DMC が履いていた adidas のアレにもかけてるよね?(なにわかりきったことを。って思ってる方!心の奥にしまっておいて。)しかもここでコンバースを出してくるところがまた良い。皆が一度はお世話になってるコンバース。この言葉がすごい距離の詰めかたしてくれてる。あれ?自分と変わらないかも。もしかして自分も頑張ればああなれるかもって思わせちゃう。絶妙なブランドの対比だなぁ。

ということで、とりあえずこんな感じかな。次もまたお楽しみに。

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MUSIC PLAYGROUND

Àdá Irin / Navy Blue

Àdá Irin / Navy Blue [ Freedom Sounds ]
2020.02

ロサンゼルス生まれのプロスケート・ボーダー、Sage ElsesserことNavy Blueによるデビュー作。内省的なメロディのサンプルと最小限の乾いたビート、そして自分自身に語りかけるような淡々としたラップが織りなす空気はガス・ヴァン・サントの初期青春映画の様でもあり何も起こらないロードムービーのサウンドトラックのようにも感じる。

この作品に流れる”親密さと仄暗さ”は前向きでいることやエモーショナルであることが正義と近しい言葉で語られる暮らしのなかで何よりも心を明るく照らしてくれている。特にKAが参加したエチオピアン・ジャズサンプルの 「In Good Hands」 から Chet Baker のようなジャズ・ヴォーカル曲 「ode2mylove」 の2曲を含む終盤4曲に流れるメランコリックなムード、それこそがこの作品の一番の魅力であるに違いない。

ある人にとってはまったく意味のないものがある人にとってはとても重要だったりする。わずか29分、11の日記のような曲たちを聴き終えるころにはNavy Blueというすこし気障な名前にも愛着が湧く。本当に仲の良い友達にだけ教えたくなる作品に久しぶりに出会えた。